10月28日(木) 15:30 -- 17:00 藤原 宏志 (京都大学大学院情報学研究科) ``多倍長数値計算のためのツールの設計'' <研究発表要旨> 現在の浮動小数点数値計算においては丸め誤差が不可避である。このため 非適切問題の数値計算で代表されるある種の誤差に敏感な問題に対しては 現行のFortran或いC言語の通常コンパイラを用いて数値計算行う場合には 有効数字の不足から丸め誤差の累積が生じ、計算の信頼性が著しく失われている。 本研究では、有効数字桁を十分多く取って丸め誤差の影響が欲しい桁まで 伝播しなければ、新たにシュミレーションできる現象があることを想定し、 特定のアーキテクチャ向けではあるが多倍長の数値計算を高速に実現するための 計算環境の設計を目指している。今回はこの研究で用いた技術と、現在までの 開発状況を紹介する。