12月7日(木) 15:30 -- 17:00 山本 昌宏(東京大学大学院数理科学研究科) ``Carleman評価とmultiplier法による弾性体逆問題について'' <Abstarct> 非定常等方弾性体にたいして次の2つの逆問題を考察する。 (1)初期値、外力項の境界観測による決定問題における安定性 (2)空間変数に依存する密度関数の決定 なお、時間が許せば、空間変数に依存するラメ係数の決定についてもふれたい。 ここで扱う逆問題の定式化はD−N mapによるものと異なり、単独の境界観測 に基づくものであり、基本的な手法として上記(1)、(2)の逆問題に応じて Carleman評価とmultiplier法を用いる。これらの手法は単独の双曲型方程式に たいしては広く知られているが、弾性体の方程式がmultiple characteristics を有すること、ならびに応用上特に重要な境界条件であるfree surface traction conditionを取り扱わねばならないことによってそれらの手法の適用には格別の 工夫が必要である。本講演ではこれらについても解説したい。