12月6日(木) 15:00 -- 16:30 齊藤 宣一(東京大学大学院数理科学研究科) ``Keller-Segel系に対する保存的有限要素法'' (Conservative finite-element method for the Keller-Segel system) <研究発表要旨> 細胞性粘菌の凝集現象を記述するモデルとして広く知られるKeller-Segel(KS)系 に対し、有限要素法による数値解法を提案し、その数学的理論の概要を報告する。 提案する有限要素近似は、KS系の解の基本性質である正値性保存と質量保存を厳密 に再現するものであり、さらに、$L^p$空間においてKS系の解に収束することが示 される。なお、講演では、定理の証明よりも、非線形PDEに対する有限要素スキー ム構成における重要なアイデアと誤差解析の方針に重点をおき、議論に現れる様々 な仮定や条件の意味の説明に焦点を当る予定である。