10月23日(木) 15:00 -- 16:30 中澤 嵩 (岡山大学大学院環境学研究科) ``閉鎖性水域における水質改善装置が誘起する鉛直方向循環流 の数値・数学解析'' <研究発表要旨> 近年、家庭や農業用地から流れ出る排水がダム湖やため池等の閉鎖性水域に流れ込む ことで、深刻な水質汚染を引き起こしている。その原因の一つに、閉鎖性水域の底床 における酸素不足が挙げられる。本研究が対象としている小型ファンは、水面付近で プロペラをゆっくり回転させることで上下方向の鉛直方向循環流を誘起し、水質改善 を期待する装置である。 これまでにも様々な実験に基づくによる考察が行われているが、理論的な研究が少 なく、流れのメカニズムが十分に理解されているとは言いがたい。本研究は小型ファ ンによって誘起される鉛直方向循環流を、簡単な物理系で理論的に解析することを目 的としている。円柱座標を導入し、小型ファンによって誘起される回転方向速度成分 を近似した分布を上面の境界条件に設定する。このとき、その座標系内において、非 定常 Navier-Stokes方程式と連続の式を数値的に解き、定常解を得た。さらに初期条 件やレイノルズ数を変化させて、流れ場の解析を行ってた。 講演では問題のモデル化とそれらの数値解析について説明する。