2月17日(木) 15:00 -- 15:50 田中 大毅 (京都大学 情報学研究科) ``輸送方程式の減衰係数と散乱核の摂動に対する解の評価'' <研究発表要旨> 本講演は輸送方程式の初期値境界値問題について、減衰係数と散乱核の摂動に対す る解の評価を与え、差分法による数値計算によってこの評価を検証するものである。 輸送方程式は、光を光子の運動ととらえた場合の生体内での光の伝播を記述する 方程式とも考えられており、光トモグラフィの数理モデルとして研究されている。 この方程式の初期値境界値問題は、適切な数学的枠組の下で解の存在と一意性が知 られており,Hadamardの意味で適切(well-posed)な問題になっている。本講演では 光トモグラフィの基礎研究として、輸送方程式の初期値境界値問題の解が初期値や 境界値ならびに減衰係数及び散乱核の摂動に対して安定であることを示す。