数値解析・応用解析セミナー 9月13日(木) 15:30 -- 17:00 辻 徹郎(大阪大学基礎工学研究科) ``分子気体力学における連成移動境界問題と履歴効果.'' <研究発表要旨> 低圧気体やマイクロスケールにおける気体の振舞は通常の流体力学では記述 することが出来ず,分子気体力学を用いる必要がある.近年のセンサなどの 微細化に伴い,マイクロ・ナノスケールの構造体の振動解析など分子気体 力学における移動境界問題を扱う必要が増えているため,その基本的な性質 の理解と数値解析手法の確立は重要である.さらに,物体と気体の運動が 連成する移動境界問題では,物体運動の履歴効果の性質が従来の流体力学の 枠組みとは異なる.本発表では,分子気体力学の連成移動境界問題における 速度分布関数の特異な性質(不連続の生成と分子速度空間における局所化) と,その結果生じる分子気体特有の履歴効果に関する一連の研究成果を紹介 する.具体的には,希薄気体中の物体の一定外力による非定常運動や,希薄 気体中の振子の減衰を取り上げ,速度分布関数の特異性を精密に捉える数値 解析手法の構築と,物体運動の履歴効果による特徴的な解の長時間的振舞に ついて発表する. ●セミナー室: 京都大学 総合研究12号館 2階203号 (応用解析学講座セミナー室) ●総合研究12号館はキャンパスマップでは「京都大学本部構内 54番建物」です。 ------------------------------------------------------------- セミナー連絡先: 京都大学大学院 情報学研究科 先端数理科学専攻 磯 祐介 e-mail; iso@i.kyoto-u.ac.jp