数値解析・応用解析セミナー 5月6日(木) 15:30 -- 17:00 松井 一徳 (金沢大学大学院 自然科学研究科) ``圧力境界条件を課した非圧縮性 Navier-Stokes 方程式に 対する射影法について'' <研究発表要旨> 射影法とは工学などでよく用いられる非圧縮粘性流体に対する数値解法の 一つで,非圧縮性条件を課す代わりに圧力ポアソン方程式を解く手法である. 圧力差を作り出すことで流れを生み出す機構は配水システムや血液循環の ように数多くあり,流体領域の境界で圧力値が与えられた場合に内部でどの ような流れになるのかをシミュレーションすることは応用上重要である. 射影法に対して圧力境界条件を課すために,一般に応力境界条件や do-nothing 境界条件が使われているのだが,その場合には射影法で課して いる境界での圧力値とオリジナルの流体問題の圧力解の境界値が異なると いう問題がある. そこで,射影法とオリジナルの流体問題での圧力の境界値が一致するような 場合について調べるために,本発表では全圧を含む境界条件を課した Navier-Stokes 方程式に対する射影法を新たに提案する.ここで全圧とは 通常の圧力に単位体積当たりの流体の運動エネルギーを加えたものである. 提案スキームの安定性や対応する Navier-Stokes 方程式の解への収束と その収束オーダーについて考察し,前述の応力境界条件や do-nothing 境界 条件を課した場合のものと比較する. ●セミナー室: 京都大学 総合研究12号館 2階203号 (応用解析学講座セミナー室) ●総合研究12号館はキャンパスマップでは「京都大学本部構内 54番建物」です。 ------------------------------------------------------------- セミナー連絡先: 京都大学大学院 情報学研究科 先端数理科学専攻 磯 祐介 e-mail; iso at i.kyoto-u.ac.jp