「応用数学」は, いわゆる純粋数学で得られた結果を利用して物理学や工学等の応用分野の問題を解くだけのものではなく, 現象の数理モデル化とその解析を通して新しい数学を創造していく学問です.
  我々は自然や生命, 社会の諸現象を数理科学の問題として捉えて問題解決を図るために, 微分方程式や確率過程, フラクタル等を始めとする様々な数学上の概念を用いて現象の「数理モデル化」を行います. そして問題解決のために理論的な考察や数値シミュレーションを行いますが, これらをきっかけに新たな数学が芽吹くこともしばしばあります. さらに数理モデルの解析で得られた数学上の知見が現象の理解を深め, また技術革新に寄与することは日常茶飯事です. このように「応用数学」は数理モデル等の研究を通して新しい数学を創造する学問であり, また得られた数学的な成果を社会に還元することで人類の未来に直接的に貢献する数学ともいえます.
  本講座は応用数学の中でも, 微分方程式, 数値解析, 確率論およびフラクタル上の解析等を中心とする 「応用解析学」 の研究と教育を行っています. 大学院教育では, 京都大学の基本理念と「自重自敬」の精神を尊重して院生の自主的な学修と研究を大切にし, 研究指導では各院生の学術的な興味と適性に配慮した丁寧な指導を心掛けています.
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